前記事(基本セット編)の続き。前回もそうだけど、汎用性という観点を結構重視してランクを付けてしまっているところがあるので、あくまで傾向レベルで。「50~80点」みたいな幅をもたせた評価基準にそのうち書き換えたい。
目次
時代A
ヒポクラテス:A
追加の黄色トークン3つは破格のボーナス。時代の変わり目でうっかり幸福度が足りなくなるなどの事故も起こりにくくなる。
ただし効果自体が遅効性で序盤の加速に貢献しないのと、ヒポクラテス自身を直ぐに交代させられないのは弱点。
ブーディカ:A
食料・資源・科学を選択して得られるのは柔軟で素晴らしい。
軍事ユニットのための資源+2はあまり有用とは言えないので、さっさと使って軍事上位をキープする。3人ゲームよりも4人ゲーム向き。
クレオパトラ:B
資源+1自体は良いものの、用途が限られるので使いづらい。
最序盤の都市建築物は《哲学》の2軒目を建てるくらいなので、驚異は必ずセットで取る。ただし毎ターン恩恵を得るために1段階ずつ驚異を進めていくのは建設が遅くなってしまうし腐敗も意識しなければならないので、あまり効果に引っ張られずに一気に建ててしまう方がいい気がする。
アショカ:B
扱いがやや難しいものの、3色キープできている時の報酬は非常に大きい。2色でも十分有用。
《君主制》などの重い技術や、即座に効果を発揮しない時代Ⅰの偉人(コロンブスや《錬金術》のないダヴィンチなど)を拾っておいてもいい。
カードを取るのにいつも以上に手番を使いたいので、《ピラミッド》や《法》で内政行動数を増やせていけると楽。
孫子:B
カエサル亜種。2ドローが本体で、軍事ボーナスや戦術の強化はおまけという印象。強くなった戦術は結局あとで相手に使われてしまうし。
都合よく《中世の軍隊》を強化して2組作れたりなんかすると、《騎士》を取れなかったプレイヤーをボコボコに殴れる展開はありそう。
公知戦術にならない能力については、ゲームに影響したところを見たことがない気がする。
孔子:B
アリストテレス亜種。だいたい同じくらいかそれ以上の科学は湧かすものの、イベント投入を要求される点では劣る。
同じくイベント投入をトリガーとする指導者の《ノストラダムス》にも同じことが言えるけど、イベント山のコントロールがやりにくくなるというのはやはり欠点(エレノアは追加ドローで質が上がるので例外)。投入で得られる恩恵よりもイベントによる損失や他プレイヤーの報酬が大きくなっては意味がない。
時代Ⅰ
ヤン・ジシュカ:A
時代Ⅰ指導者にしてだいたい2~4軍事、2文化、軍事行動数+1くらいのボーナスが得られる、強い。《ファランクス》か《中世の軍隊》を敷いて《騎士》を研究しよう。3つ目の農場を作ってもOK。
砲兵とみなす能力は有効なタイミングに遭遇したことなくて使ったこと無い。時代Ⅱ序盤でちょうど噛み合う戦術を引けたらチェンジするけど時代遅れになるのであまり戦力アップは見込めない。交代後のことを考えると《大砲》を無視したりしてはいけない。
ヨハネス・グーテンベルク:A
1資源 or 1科学、2文化、内政行動数+1。こう書くと内政版の《ヤン・ジシュカ》っぽい。
《レオナルド・ダ・ヴィンチ》同様、《錬金術》は必須。ただし性能をフルに発揮するためには先にグーテンベルクをピックして後から《錬金術》を手札に加えたいのがちょっとだけ悩ましい。同時に列に並んでいたら嬉しい。
毎ターン恩恵を得ようとすると《錬金術》の①ピック、②研究、③改良、④改良と4ターンかかり、科学クロックを伸ばすまで時間がかかってしまう。《鉄》など別の研究をメインで進めて、片手間で《錬金術》を育てていく形の方がいい。
上記4ターンがすぎると主な仕事がなくなるので結構短命。時代Ⅰやや遅めでグーテンベルクを出して、時代Ⅱに入ったらすぐに交代してしまいたい。《錬金術》が無い場で出したら《科学的手法》を待ってもいいかも。
やることがなくなったからといって《印刷機》に人を載せていくのは、食料にかなり余裕がない限りやりたくない。ピックはタダだから良しとして、序盤に2科学を2文化に変換するのは弱い。
サラディン:B
内政行動数+1が担保され、必要に応じて軍事上位に入れるよう調整してくれる。特別なセットアップも不要で常に平均以上の仕事ができる。可もなく不可もない安牌で、あまり語ることもない。
軍事負けしているときは+2で急場をしのぎつつ、内政行動数の能力を選べるように盤面を持っていきたい。
ノストラダムス:B
イベントを入れるだけで3文化は美味しいが、序盤の文化は重要でないことと、イベントカードを継続的にしっかり引かなくてはいけない点でやや評価は落ちる。投入すること自体は自身の能力でサポートされるのであまり問題にはならない。
《鼠》、《反乱》、《暗黒時代》あたりのイベントが透けるのはかなりの事故防止になる。イベントの被害を上手いことコントロールできれば見た目以上の強さになる。とはいえプレイングで介入できる余地は少ないが。
ボーナス込みで軍事上位にいられるよう、戦術1個分くらいの最小限の軍隊だけ用意してあとは内政全投入。逆に内政に集中できないと、文化を生み出すだけの存在になり拡大再生産に繋がらずイマイチ。
エレノア・アキテーヌ:B
通常ドローと合わせて毎ターン最大5枚の軍事カードを引ける。すごい。軍事のドロー数を増やすことは有効牌を探すだけでなく、イベント山の内容を絞り込むのに役立つ。
イベントを投入することで文化点を稼ぐ点は《ノストラダムス》と似ているものの、実際の運用感は異なる。
イベント投入のために軍事力を確保していく必要があるが、エレノアはそれを直接支援してくれるわけではないのでリソースは自力で用意しなくちゃならない。戦術カードは引けるのでやはり《騎士》は欲しい。
軍拡とドローのために軍事行動数は増やしておきたい。《騎士》の研究をサポートしつつ幸福度を上げる手番を削減する《コロッセオ》が理想的。
交代時の内政行動数3の返還は、遅れがちな内政を時代Ⅱで取り戻すときに便利。奥にいる強めの偉人やクリティカルな技術を無理なく取りに行ける。
イザベル1世:B
無条件の資源産出+1は時代Ⅰでは貴重。特に《鉄》を取れなかった場合は生命線となる。というかむしろ《鉄》をスルーして《石炭》を待つほうがいいくさい。追加の青トークンも気づかないうちに腐敗を防いでいるシーンも多くて割と有用。
植民ボーナスはあくまで補助の認識。+1は効率いいと思うけど、+2以上はコストが重くて厳しい。+3ともなると6資源もかかるので、軍事ユニットの復帰が難しくなるのでよほどのことがないと使わない。
時代Ⅱ
アントニ・ガウディ:S
大量の文化と科学を生み出すバケモン。出力的には時代Ⅱ指導者なのに時代Ⅲのアインシュタイン並。時代Ⅲでも引き続き使っていいレベルだが、よく《偶像破壊》にキレる。
都市建築物の研究をサポートする効果は、《オペラ》や《ジャーナリズム》を建てていきたくなる時代Ⅱ後半の目標とも噛み合っていて強い。幸福度が足りなくなってくるタイミングで適当に《チームスポーツ》や《組織宗教》を格安で研究して文化1点がついてくるのもよい。
ただし都市建築物に人を送っていくために食料と資源の生産力がある程度高まっていないと本領を発揮できない。そのため《品種改良》や《石炭》、《建築技術》などをあらかじめ研究しておきたい。時代Ⅱ序盤の生産力がまだ低いタイミングでガウディを出しても案外仕事ができなかったりする。
都市建築物はそれ自体が文化クロックになっているので、ガウディが交代した後もそのまま点数を稼いでいける。ある程度クロックを高めたら時代Ⅲでは軍事を補強して逃げ切ってしまいたい。そういう意味では《マハトマ・ガンジー》に交代して籠もっているのもあり。
アルフレッド・ノーベル:A
科学+2、軍事+2。まず腐らない能力で、シナジーなども必要としないのでテキトーにとって強い。
ノーベル賞の能力は他プレイヤーを伸ばしてしまう可能性もかなりあるので注意(何に?)。時代Ⅱの科学産出はノーベルに任せてあまり伸ばさず、時代Ⅲで早めに《コンピューター》を取って科学系偉人に交代したい。
チャールズ・ダーウィン:B
得点能力は結構高く、書庫があれば毎ターン3,4点の文化は稼いでくれる。もとから寺院は基本使いたくないと思っているので、デメリットも特に気にならない。
研究所と書庫にリソースを割きたい関係から、どうしても人口・幸福度の問題がのしかかって来るので《チームスポーツ》や植民地が欲しい。
都市建築物に人を置いていくタイプの指導者はどうしても軍事ユニットに人数を割きにくくなってしまうので、自身の能力で《銃兵》など時代Ⅱの軍事を積極的にピックして少数精鋭型の軍隊を作りたい。
ジェームズ・ワット:B
時代Ⅱで一気に伸ばした生産力を使って、時代Ⅲでは軍隊にどんどん人を送り込みたい。《ウィンストン・チャーチル》と相性良さそう。
《機械化農業》や《石油》は通常は建築コストをペイしないのがほとんどだが、ワットが生きているうちならピックしてもいい。そのためにも時代Ⅲ開幕後すぐにめくれて欲しいところ。
エカチェリーナ2世:B
とりあえず2点の文化クロックの追加軍事行動数があり、十分なスペック。
黄色トークンを奪う効果は美味しい追加効果で、特に時代Ⅲ突入タイミングは最も幸福度に困るタイミングなので妨害能力も高い。他プレイヤーの軍拡を急がせ、内政を遅らせたり効率の悪い軍事構築を強要させられる面もある。
マリア・テレジア:C
まず食料基盤が整っていることが絶対で、かつ軍事負けしてないと出力が弱く力を発揮できないので状況を選ぶ。
逆にしっかりと運用できれば結構な恩恵をもたらしてくれる。時代Ⅲに向けて軍事を追い上げていくときなどは特に有用で、チャーチルに近い動きを見せる。序盤内政に注力していたプレイヤーが、マリアを起点に軍拡に切り替える動きが良さそうで、《レオナルド・ダ・ヴィンチ》や《ノストラダムス》の交換先としてしっくりくる。
都市建築物にはあまり力を入れず、《品種改良》や《石炭》で生産力を高めてから軍事プレイで勝つ方向性に持って行きたい。
時代Ⅲ
マレーネ・ディートリヒ:A
最初「最良の劇場1つ」だと勘違いして弱いと思ってた。「最良の各劇場」なら強いわ。
時代Ⅲのバッハ。《映画》や《オペラ》の文化クロックで勝つ戦略を直接増強してくれる。通常劇場オンリーでは幸福度は足りなくなるが、その問題も解決してくれる。
戦術のサポート効果は、戦争で大勝ちするための最強軍隊を作ろうとすると物足りないものの、周りに殴られないレベルの戦力を確保する場合は効果的で結構なリソース節約になる。劇場プレイで内政に集中したいという方向性に合致するのでちょうど良い。
イアン・フレミング:A
書庫と劇場のそれぞれのレベルに応じた文化クロック。数を並べる必要はなく、1つずつ建てていればあとは何もせず無条件でかなりの文化点が入ってくるのは強力。
スパイ能力は使い方がテクニカルでやや上級者向きではあるものの、立ち回りを決めるための情報アドバンテージをかなり得られる。大きく分けて2つ。
まず侵略を確実に成功させられること。《侵略:急襲》など特にインパクトの大きい侵略を、普段は無駄打ちに終わることを恐れて躊躇してしまう場面で的確に撃ち込むことで、壊滅的なダメージを与えられる。
もう一つは戦術カードや《〇〇による影響》シリーズの在り処を知れること。どちらもゲームに与える影響が大きい上に1枚ずつしか存在しないため、軍隊の構築方法や伸ばすべき分野の選択など終盤のゲームプランを定めるのに大いに役立つ。
スティーブ・ジョブズ:B
資源は最後まで余らないリソースなので能力起動のための1消費は馬鹿にならないが、それでも研究のたびに4文化点は優秀。《鉄》でやりくりしているレベルでは間違いなく資源が足りなくなるので、《石炭》や《大陸横断鉄道》などで十分な生産力を確保している状態でピックしたい。
幸福度ボーナスは補正値が大きく、時代Ⅲの指導者はゲーム終了時まで残るので最終的な解決策として優秀。自身の得点能力も踏まえると《映画》よりも《マルチメディア》を優先していく。
ピエール・ド・クーベルタン:B
各アリーナが2文化を湧かすが、アリーナはあまり複数立てるものでもないので普通にやるとそこまで大きなクロックは見込めない。《プロスポーツ》であれば軍事力補正も大きいので、ぜひ研究して並べたい。4軒立てれば軍事+16、文化+8となり、《インターネット》の打点も跳ね上がる。
オリンピックは即時の8文化点が美味しく、プチガンジーになりうる。ただし巨大な軍事差があれば問答無用で殴ってくるので安心はできない。
マリ・キュリー:C
最低でも鉱山と研究所どちらかはレベル3にして3文化クロックは欲しい。《石炭》と《コンピューター》を建設している一番自然なパターンだと「科学+2、軍事+3、文化+3」と悪くない出力。
この時代の軍事+3は地味に見えるが、戦争の勝敗にこそ影響しないものの《文化をめぐる戦争》で相手と6点詰まるのでそこそこやる。そこそこ。
ネルソン・マンデラ:C
ピックのための追加コストが重いので、基本的にはちょうどタイミングよく取れるときしか取らない。そのためだけにわざわざアリーナを崩したりなどは流石にしない。
余剰幸福度によるボーナスも合わせて、4~6点くらいの文化クロックを生み出す。《サン・ピエトロ大聖堂》があったりバンクの黃トークンが多い場合など自然に噛み合う盤面なら追加コストを払っても取りに行く価値はある。逆に、こいつのために無駄に幸福度を稼ぎに行こうとするのは、アリーナを劇場として扱っているだけにすぎない。
内政行動数+1については終盤は価値が低くなっているので、無いよりはよほどいいけどそこまで評価するほどのものでもない。